突然ですが、皆さんは学生時代、勉強が好きでしたか?
国語、数学、社会、理科、英語…。いまになって思い返すと、小学校~中学校~高校と若かりし頃は勉強することがたくさんありましたよね。中には数学が苦手で、黒板の数式をみると魔法がかかったように眠くなってしまっていた人や、英語を耳にするだけで脳が機能停止してしまう人もいらっしゃったのではないでしょうか?(かくいう私がそうです)
さて、そんな最中、ハーブ健康本舗(以下ハーブ)では、3月末~4月上旬にかけて、ものすご~く勉強する時期があります。もちろん仕事のレベルアップを目指して日々頑張っているという意味では毎日勉強しています。が、この時期だけは、ある“イベント”に向けて、我々ハーブ社員一同、一段と勉学に励んでいるのです。
そのイベント、すべては人事部から送られてくる1通のメールから始まります。
嗚呼、とうとうこの時期がやってきた…。
「総合知識テスト」の日が。
ということで今回は、業務と並行しテスト対策に翻弄するハーブ社員の実情をご紹介したいと思います。
そもそも「総合知識テスト」とはなんなのか?
この総合知識テスト、その名の通り、ハーブで業務を行う上で必要とされる知識がちゃんと身に付いているか?テストするというものです。各部の責任者の選抜メンバーにより問題が作成され、他メンバーはその問題を90分かけて解きます。学生の頃を彷彿とさせますね。
当然テストですので、その後に評価もあります。ハーブは4月末で半期が終了するため、4月末の評価にこのテスト結果も反映されます。そら適当にホイホイっと受けるわけにもいきません。
そして、肝心なのがそのテストの出題範囲。
1.理念・クレド・ルール等の書き取りテスト
「フィロソフィーブック」より出題されます。この「フィロソフィーブック」というのは、ハーブ社員ひとりにつき1冊配られている黄色い冊子のことです。
コーポレートサイトの[企業理念]のページにも写真が載っているこの冊子の中には、企業理念や行動指針(クレド)、コミュニケーションルールなどが一様に掲載されており、総合知識テストではこれらの考え方やルールを暗記しているか確認する穴埋め問題が出てきます。
2.商品知識テスト
こちらは商品の理解力を試す問題。選ばれた6商品の商品詳細資料に記載されている情報からランダムに出題されます。商品の効果や特徴はもちろん、価格や内容量、お客様からよくいただく質問対応のマニュアルも出題範囲なので、全般的に商品の情報を網羅しておくことが必要です。
ハーブには各商品につき1冊の「商品詳細資料」が存在します。開発の経緯から商品コンセプト、商品の特徴、お召し上がり方、原材料資料、よくある質問、商品カルテ…商品に関わるたくさんの情報がギュッと詰まった資料で実際に商品の販促資料を作ったり電話口でお客様に案内したりするのに役立ちます。情報量が多い分、全部網羅するのは至難の業です。
3.業務知識
業務全般に即した内容が幅広く出題されます。特に注目すべきが「企画マニュアル」というもの。
この企画マニュアルは、代表の永松が独立する際に学んで得た知識を凝縮し作られた、通販業界で生き抜くためのエッセンスがこれでもかと入っている資料。ですので、通販の基礎知識に始まり、売れる商品開発の視点、WEBマーケティングの広告用語、セールスライティングの重要事項、業界に関する法令の話など、内容はかなり多岐にわたっています。出題範囲でA4用紙90枚分、A3用紙10枚分です。
暗記ものが多い総合知識テストですが、電卓持ち込みの計算問題も、業務知識として出題されます。主に、CPAやCPOといった広告の費用対効果を示す指標を算出する問題や、広告費とLTV(お客様によりもたらされる将来的な利益)からコストの回収期間を求める問題などが出てきます。数学苦手な方はここでアレルギーを引き起こします。
穴埋めの抜き出し方が鬼レベル…(;´・ω・)
賢明な読者の皆さまはすでにお気付きかと思うのですが、ハーブの総合知識テスト、出題範囲が広いんです。もちろんこれらの知識は業務を行う上でとても大切なことだと頭では分かっていますが、テスト形式でマニュアル上に記載されている文言を一字一句、正確に覚えているかと問われると、さすがに厳しい…。
出題範囲の広さに加えて、穴埋めの抜き出し方もなかなか特徴的。
過去問を抜粋して公開しますと、たとえばこの問題。
問題:
クレドより、以下の空欄を埋めてください。
・・・お客様に喜びや感動を提供できる優れた商品やサービスは、常に【 ③ 】で、物事を考えて、逆算して設計することで生み出されます。・・・
回答:
( お客様の視点と気持ち )
穴埋め問題って、( 視点 )とか( 気持ち )とか、単語で抜き出される場合が一般的ではないかと思うのですが、ハーブの総合知識テストは文節単位で抜き出されます。回答欄の大きさに合わない。しっかり覚えていないと正しく答えることができません。
採点基準は“完全一致のみOK”。うっかり“てにをは”を書き間違えようものなら、覚えてたはずなのに点数にならない!という悲しい結末に…(経験談です…)。出題者の悪意を感じます。
問題:
媒体費432万円で黒モリモリスリムのテレビ広告を実施したところ、サンプル注文を180件、定期本品の注文を220件獲得しました。その1ヶ月後、サンプル注文者の中から20%が定期購入へ申し込みをしました。1ヶ月後のCPAとCPOを答えてください。(※小数点が出た場合は切り捨ててください。)
回答:
( CPA:10,800円 / CPO:16,875円 )
こちらは計算問題の過去問。何がいやらしいかというと、CPA・CPOの違いが分かっていることが前提であるところ。似たような用語の概念の違いを本質から理解しないと、この問題は解けません。
広告業務を行っている部署ならまだしも、部署によっては普段の業務で広告の費用対効果を見ないような部署もあるので、担当外だからといって勉強しないでいると、計算問題がちんぷんかんぷんで解けない事態になってしまいます。
社長!なんで総合知識テストやるんですか?
もちろんテスト期間中だからといって会社が休みになる訳でもなく、ハーブ社員は業務をこなしながらテスト対策にいそしむことになります。
プライベートで友人に、会社でテストがあるんだよね…と話したところ、「え!?普段も仕事忙しそうなのに、その上テスト勉強まで頑張ってたら身体壊すよ…」と心配されました。ハーブ“健康”本舗なのに!
健康面さえも脅かす(?)ハーブの総合知識テスト。そもそも、なんで業務で忙しい中テストを実施しているのか?社長の永松に想いを訊いてみました。
― 社長、総合知識テストはいつから始まった制度なのですか?
永松:
キャリアップ制度を構築した時だから、ちょうど10年くらい前かな?
― どういったきっかけで始まった制度なのですか?
永松:
クレドって、うちで働く上で知っておかないといけない大切な行動指針で、ただ知っているレベルではなくて行動レベルで出来るようになってほしいっていう意図があるんだよね。これはただ指針が存在するだけでは習慣にならない。まずはちゃんと覚えていないことには行動できないので、テストという形で覚えているかどうかを確認しようと思い始めた制度です。
永松:
商品知識も同じですね。自分たちが売っている商品の基礎知識なので、お客様から商品について訊かれて「知りません」では示しがつかないよね。
― 制度の意図はよく分かりました。ただ…あの…正直業務で手一杯です…。
永松:
正直でよろしい。「きついなあ」と思うのは正常な感覚です(笑)。
永松:
忙しい中勉強するのは、時間もないし本当に大変ですよね。でも、時間が作れなければ何も出来ない。工夫して時間をつくって、自分でねん出していくことをやっていってほしいと思っています。勉強することは必ず自分にとってプラスになるので、自分で時間を作ってやっていくことが大事。そのために、やらなくていい業務は手放すなど、効率的に働くことも同時に考えてほしいと思っています。
深夜3時の読書タイム!?
永松:
社長という立場だから僕もなかなかに忙しいんだけど、寝る前には読書の時間を作って、勉強や情報収集を欠かさないようにしています。だいたい2時…遅い時だと3時くらいまでやっているね。
― 夜中の3時まで読書されているんですか!?体調崩しますよ、ちゃんと寝てください!!
永松:
ははは(笑)。寝る前に本を読むのはずっと前からしていることだね。読書だけじゃなくって、気になることをネットで調べまくったりして。頭が冴えてしまって眠れなくなることもしばしばありますね。
― ちなみにどんな本を読まれているのですか?
永松:
分野は本当にいろいろだね。偏りなく、多方面のジャンルの本を読み漁っています。読書する中でたくさんの気づきが得られるのが面白いね。眠たいときもあるけれど、もう習慣化してしまったし、何より楽しんで学んでいるので、全然苦には感じていませんね。
仕事して疲れ果てた後から、読書したり調べ物したり…とても大変そう!と感じてしまいますが、「楽しんでやっている」というのが大変重要なポイントだと感じます。どんなことでも、辛いことやキツいことはなかなか継続しません。様々な分野に興味をもって、積極的に情報収集の時間をつくる、これは見習わねば。
でも深夜3時はさすがに睡眠不足で身体壊しかねないので、ちゃんと寝てくださいね社長!
成績上位者はこのハードスケジュールの中どうやって勉強しているのだろう…?
学び続けることの大切さは分かっているものの、いざ実践しなければと思っても、山積みの業務資料を前にすると、なかなかテスト勉強だけに時間を割けないのが正直なところ…。そんな中、毎回の総合知識テストで素晴らしい成績を収めているハーブ社員もいます。
一体どんな風に勉強しているのか?この勉強法に「すごいの出す」秘訣があるのでは?と思い、成績上位者2名にインタビューしてみました。
Case1.「暗記でなく、イメージしていくことが重要」 海外・卸事業 大戸の場合
海外販路の拡大をミッションに掲げ、日本語資料の翻訳作業からパートナー企業への対応、扱っている商品の各拠点の在庫調整など、かなり幅広い業務内容をこなす大戸。日々忙しく過ごしている彼女ですが、総合知識テストの成績は常に90点台をキープしています。若きハーブのエースに、テスト勉強の極意を聞いてみました。
― 大戸さんは、ハーブで仕事をする前に、留学の経験があるんですよね。
大戸:
はい、中国の上海に留学していましたので、語学を中心に、留学先で必要な知識は一通り自分で時間をつくって、勉強してきました。
― 学生時代、英語に苦戦した私としては、留学先で外国の言語を自由に扱えるのってほんとすごい。脱帽です。
大戸:
ありがとうございます。言語については、私自身が語学に興味があって、楽しんで勉強出来たのが身に付いた秘訣かなって思ってます。何事も興味をもって勉強すること、これがすごく大切だと思います。興味がないことって、どんなに勉強しても頭に入らないですから。
― 確かに。総合知識テストってどうしても自分の担当業務外の範囲を含むので、「本来の仕事じゃないのに…」って考えてしまいがちなのかなって思うのですが、しっかり興味関心をもって勉強に取り組めることが、大戸さんの強みなんですね。
大戸:
自分の中では「頑張ってやっている」という感覚はあまりなくて、どちらかというと楽しんで勉強していますね。
― 業務も忙しいと思いますが、どのタイミングでテスト対策をしていますか?
大戸:
夜、寝る前に勉強して、朝起きてからもう1回勉強して、を繰り返しています。夜と朝にやると、記憶として定着しますね。学生時代からずっとこのやり方で勉強しています。仕事は忙しいので、業務時間内で勉強は出来ないですね。業務と比べるとテスト対策は優先順位がどうしても低くなりますし、仕事に集中しているタイミングでいくら勉強しても頭に入ってこないです。
― なるほど。夜と朝の勉強だと、どうしても時間に限りがあるように感じますが、覚えられるものですか?
大戸:
はい。これも学生時代からなのですが、ものを覚えるときのコツがあって、暗記しようとするのではなく、「イメージをすること」を重視してやると、うまくいきます。
― 「イメージをすること」?
大戸:
たとえばクレドの文章であれば、文字を暗記したり記憶したりしようとするのではなく、まず文章から出てくるイメージを頭の中で想像するようにしています。“期待を超える喜びと感動を提供する”であれば、実際に商品を使ったりサービスを受けたりしているお客様が喜び、感動している風景を絵としてイメージして理解する。企画のマニュアルや、商品の知識なんかも同じようにイメージすることを大切にしています。
― これは納得。文字だけで覚えるのって大変だし、すぐ忘れちゃいますもんね。
大戸:
絵がイメージ出来るレベルにまで理解を深めておくことで、言葉が自然にふっ、と舞い降りてくるようになるので、私はこのイメージする勉強法をオススメしたいですね。
Case2.「長年在籍しているからこそのプレッシャーがモチベーション」 クリエイティブ制作 中野の場合
お客様にお送りする挨拶状から広告用のランディングページ、さらには社内向けのフィロソフィーブックまで、ハーブのありとあらゆる制作物をハイスピード&ハイクオリティで創出するクリエイティブ制作チーム。忙しくない訳がないこの部署で、着実に高得点をたたき出しているのが社歴9年目のベテラン・中野です。ハーブをよく知る中野流の勉強法について訊いてみました。
― 中野さんといえば、社内の飲み会のたびに社長から必ず締めのスピーチを強要されるなど、面白い方だという印象がありますが、何を隠そう社歴9年目の大先輩であり、普段はすごい勢いで最高のクリエイティブをつくっているんですよね。
中野:
そんな風に言われると照れますね…。もう9年目なので、そろそろ飲み会の面白キャラは次世代に引き継ぎたいと考えています。
― 後継者の行く末も気になるところですが…。中野さんは総合知識テストに対して、どんな風に勉強されているんですか?
中野:
なにか特別な方法で勉強しているってわけでもないのですが、とりあえず家で勉強していますね。業務時間は忙しすぎてちょっと難しいです。お客様向けのキャンペーンが続くと制作物が立て込むんですよね。
― お忙しいですよね。
中野:
なので、家の中でゆたっとソファで寝転がったりしながら勉強することが多いです。商品知識はスマホで自社の通販サイト見たりしながら勉強しています。うちの会社、新商品がどんどん発売されるので、テスト受ける側としては地味にしんどいですね…。
― 共感します…(笑)。読んで勉強する派なんですね。
中野:
そうですね。入社したばかりの頃は、何度も書いて覚えようとしていたんですよ。でも、ふと勉強方法を振り返った時に、「1回書く時間で5回読めるなあ」って思いまして。書くのは時間かかるから、その分読む回数を増やして定着させていこうと思い、そこからは読む勉強法に切り替えました。この方法が自分に合っているなって感じがしてますね。
― 書く派と読む派は意見が分かれそうな気がしますが、ここで重要なのは“自分に合った方法を見つけている”ところだと感じます。どんな方法であれ、自分に馴染まない勉強方法だと続かないですもんね。
中野:
正直社歴が長いので、知識については貯金があるんですよ。何度もテスト受けていると、さすがに自然と身に付いてくるもので、他の人より勉強時間が少なくても、なんとかなったりします。ただまあ、その分のプレッシャーはありますけど。
― プレッシャーですか?
中野:
点数が悪くて、「ハーブにずっと長くいる割に点数悪いなんて…今まで何してきたの?」って言われそうで…(笑)。もちろん、みんないい人だから、そんなことを言う人はいないんだけど、在籍期間が長くなればなるほど、周りの評価がどんどん厳しくなることがプレッシャーに感じるようになりますね。だからちゃんと点数とれるように勉強しないとなあと。
― 私、9年も勤めている中野さんはどんな気持ちで半期ごとのテスト勉強に取り組んでいるんだろう?長く在籍していると、ついダラけて勉強がおろそかになったりしないのかな…って疑問だったんですが、頑張り続けているモチベーションはここにあるんですね。
中野:
間違いなく大変なのは大変なんだけど、プレッシャーに押し負けたくないなとは思っています。入社して初めてのテストの時にね、当時の上司から「社長から直々に教えてもらったんだったらちゃんとやらないと!」って詰められたことがあって。昔は人数も少なくて、社長がレクチャー講師として、入社したばかりの人に直接レクチャーをしていたんだけど、恵まれた環境にいるんだからちゃんと勉強しろ!って強く言われて。
― そんなことがあったのですか。
中野:
上司としては頑張れよって激励のつもりだったんでしょうけど、急に強く言われたもんだから僕はそんなにポジティブに受け止められなくて、「くそ!このやろ!」って思ってました。絶対良い点とって見返そうと思って、初回のテスト勉強を必死にやった思い出があります。思えばいまでも、根っこには負けたくないというか、プレッシャーはねのけて頑張ろうという気持ちがあるのかも。
おしまいに
ハーブ独自の会社文化のひとつである「総合知識テスト」。今回は、テストの実態から、その成り立ち、勉強法に至るまで、代表とハーブ社員の話を交えつつご紹介させていただきました。
さて、次回は後編。社員の一部で密かに行われている勉強会の様子や、集中モード全開のテスト当日の様子、ドキドキのフィードバック会までを一挙公開。また、テスト直前の社員が語る本音トークも炸裂します。
乞うご期待!
■□■関連記事■□■