一般的な企業における「部署異動」は、主に以下の理由で実施されます。

  • 各部署に所属する人員を調整・補充するため
  • 新事業の推進を目的に、組織を改編するため
  • 個人の成長を支援するため

組織・個人単位で現状をよりよくしようとする、ポジティブな動機をよく耳にします。

一方、実際に異動する社員の立場では、「異動先の人間関係がうまくいかなかったらどうしよう…」「慣れない仕事で“使えないヤツ”と思われたくない…」といった不安・悩みが生じやすいもの。

組織と個人の意向をどのようにすり合わせて、双方納得がいく部署異動を実現するのか…取り組みは企業によりさまざまです。

今回は、ハーブ健康本舗で部署異動した経験のあるメンバーに集まってもらい、異動の経緯や、所属部署が変わったときの気持ちを聴いてみました。

広告メディア企画 牧
2019年入社、カスタマーサービスに所属し、外部拠点のコールセンター運用を担当。2023年7月から広告メディア企画の部署に異動し、テレビ広告の広告枠の買い付けや折衝交渉を担当している。

CRM企画 竹下
2023年入社、経営企画に所属し、施策の分析業務を担当。半年後、CRM企画の部署に異動し、現在は販促部署の立場で、より詳細な分析業務に従事している。

部署異動の経緯と、異動が決まったときの本音

― おふたりは、なぜ部署異動することになったのですか?

竹下
私は入社して経営企画に所属し、主に既存のお客さまに対する施策の分析を担当していたんです。仕事をする中で、分析業務のやり方は覚えていったものの、キャンペーンを実施する背景や意図までは理解できない場面があって…。根本から理解する必要があると感じていた矢先、入社3ヶ月後の面談があったんです。

竹下の異動先はCRM企画
人事部との面談がきっかけで…

面談の場で、「スピード感をもって業務を進める上で、いまよりもっと業務理解を深めたい」と伝えたところ、既存のお客さま向けに企画を考えるCRM企画の部署へ異動する方法があるよ、と教えてもらいました。

― 入社後面談が部署異動のきっかけだったんですね。異動の話が出てきたとき、どのように感じましたか?

竹下
迷う気持ちと異動してみたい気持ちが半々でした。入社して半年しか経っておらず、経営企画で吸収できることがたくさんある中で、本当に異動して大丈夫なんだろうか…という気持ちがあったのも事実で。

でも、確かに企画部署に所属することで、実行する施策の背景や意図を深く理解できる点は魅力に感じて!業務の全体把握にもつながるので、悩みながらも挑戦することに決めました。

― 入社して1年未満での異動となると、確かに悩みますよね…。牧さんは2019年入社で、もともと外部コールセンターの運用担当でしたよね?


そうです。私の場合は、異動先の広告メディア企画で、人員変動が起こったことが部署異動のきっかけでした。部署をまたいで人員の再調整をしていたときに、媒体の買い付けや手配業務を進める担当として、広告メディア企画へ異動して仕事をしないかと、会社から相談を受けました。

牧の異動先は広告メディア企画
部署編成が進む中、会社から相談があり…

TV広告の運用と外部コールセンターの仕事は関連性があり、業務の流れは理解できている状態だったので、お話を伺いながら2週間ほどでドタバタと異動したのをよく覚えています。

― 会社側の組織改編の流れで異動の打診があったんですね。気持ちとしてはどうでした?


正直に言うと、一からすべて覚えないといけないし、いままで培ったキャリアはどうなるんだろう…という不安を感じていました。

ただ、会社が業務を推進していく上で必要な異動だというのは、実情から理解はできたんです。それに、いきなり辞令がとんでくる訳ではなく、実情を率直に話してもらったので…腹落ちして広告メディア企画への異動を決められました。

― おふたりとも悩み・不安がある中での異動だったかと思います。それぞれ異動先で仕事をはじめてみて、どのように感じていますか?

竹下
結果的に異動してよかったです。私の場合、前部署が既存のお客さま向けの施策を分析する業務で、CRM企画に異動後も引き続き同じ業務を担当しています。ただ、情報がスピーディーに得られるメリットを感じるようになりました。企画内容や制作物の進捗を自分で把握でき、数値結果と施策の意図を照らし合わせて、課題がどこにあるのかを見つけやすい環境だと思います。


私は現在、TV広告のメディアのバイイング(※)が担当範囲です。はじめての企画部署で、いままでやってきた業務とは違う難しさを感じます。代理店の方とのやり取りもコールセンターの運用時とも違うので、新しい仕事への挑戦だと思って、前向きに頑張っています。

※ 拡大性・商材との相性などを考慮しながら、広告枠を買い付ける仕事。

― それぞれの異動先で日々ふんばっているのですね!部署が変わる上で、部署ごとの専門知識・業務のやり方があると思いますが、この辺りはレクチャーで教えてもらえるのでしょうか?

竹下
異動後の研修は、分析業務をメインに取り組む私の実情にあわせて、みっちり実施してもらえました。数値データを俯瞰して見ながら読みとく視点で業務に取り組んできましたが、お客さまのマインドや購買心理に基づいたクリエイティブの知識が増えたことで、よりキャンペーン分析に特化した分析の視点が得られました。


広告メディア企画でも、そもそもオフライン広告とは何かという基礎知識から具体的な業務のやり方まで、異動後にレクチャーを受けました。組織編制を進める中、業務フローも見直している時期だったので、レクチャーを受けつつ自分でマニュアル化を進め、資料としてまとめていました。自分の業務の振り返りにつながるので、役立っています。

部署異動してよかったことは?はたらく価値観の変化

― 部署異動してはたらく環境や仕事内容が変わると、いままでやってきたことが通用しなくなるのではないか…という不安が生じると思うんです。その辺りはどうでしたか?


仕事内容自体は変わったものの、コールセンター業務での知識がある分、業務把握のしやすさを感じる場面は多かったです。カスコン(※)のデータ情報をもとにExcel集計したり、TV広告についてコールセンターに伝達したりする際に、いままでの基礎知識が役立っています。

※ 「カスタマーコントロール機能」の略。複数のコールセンター拠点での入電状況・設定管理をするためのシステムの総称。

竹下
前部署での経験値が活かされる点では、分析業務でも感じる部分がありました。経営企画のときは全体の売上集計までやっていたので、CRM企画のメンバーと話すときに「経営企画の分析でこんなのがあったな」「こんな風に分析したことがあったな」という視点で話せる点はメリットに感じています。

― 複数部署の知識が得られて、業務がやりやすくなるのは、部署異動するメリットのひとつですね!ほかに、部署異動してよかった点はありますか?

竹下
CRM企画に異動して、社内メンバーと話す機会が増えた点は、異動してよかったなと感じます。入社して日が浅いのもありますが、他部署との交流が少ない中、CRM企画のメンバーをはじめ、実際に現場で仕事するメンバーとコミュニケーションをとれるようになったのがよかったです。


部署のコミュニケーションに少し近いですが、いままでと違う部署体制で仕事できたことは、部署異動のメリットだと思います。指示系統がどうなっているかを意識するようになり、専門業務スキルだけでなくビジネスパーソンの基礎スキルを学べて、経験が積めているなと感じます。

― 実はこの取材前にネットで色々調べたのですが、部署異動の経験談ってネガティブな話題が多く掲載されているんです。そんな中、異動後にポジティブな気持ちで、自身のはたらく環境を前向きに捉えている姿が印象的だと感じました!

― 部署異動経験者のふたりだからこそ伺いたいのですが、異動するときに注意すべきコツというか、気を付けておくとよいポイントってありますか?

竹下
私は入社歴があまりない中で、業務を進める上での自分の課題を人事に相談できたことで、部署異動が実現しました。日頃から仕事する上での課題が何なのか、自分の中で整理して言語化しておくと、異動した後に原点を忘れずに仕事できるので、大事だと思います。


自分の課題とあわせて、異動先の課題を知っておくと、異動に際し会社に求められる役割を理解できるので、聞ける範囲で聞くのがよいと思っています。あと、新人の気持ちで謙虚に取り組むことはすごく大事だと感じました。社歴が長くなると、多少は会社の勝手がわかるからか、バイアスやプライドが邪魔をしてしまう場面があって。意識的に先入観を取っ払い、素直な気持ちで仕事に取り組むように気を付けています。

― ありがとうございます!最後に、部署異動したおふたりの今後の目標・将来のビジョンがあれば聞かせてください。

竹下
CRM企画として、キャンペーン分析の学びを深めて、習得していきたいと考えています。分析した資料を提出する時に、自分の視点だけで考えて会社の背景を考慮できていないときがあるので、考慮不足のない状態で提出するのが直近の目標です。

ただ数値を出すだけでは足りないと感じています。ひとつのキャンペーンや企画で正確に分析・データ化するのはもちろん、会社の意図や施策の目的を意識して分析結果を出したり、改善できるアイデアを提案したりできるようになりたいです。


せっかく広告メディア企画に所属したので、直近はもっとこの部署で学びを得たいです。同時に、5~10年先を考えると、違う部署で仕事を経験してスキルを得たいなという気持ちが出てきました。部署異動を経験したからかもしれませんが、オールマイティに通販のさまざまな分野の仕事を学びたいです。

自分自身が質の高い人間になり、質の高い人間関係を構築し、質の高い仕事を成果としてあげることが大事だと考えています。忙しい毎日の中で忘れないように、常に意識して取り組みたいです。

部署異動で何を学ぶか――自身と組織の課題に向き合い、スキルを磨く経験に!

通販会社であるハーブ健康本舗では、組織内にさまざまな部署が設けられ、連携しながら事業を推進しています。

先日、各部署のメンバーが集まって、新年会を兼ねた社内慰労親睦会を開催しました。

「2024年もすごいの出そう!」をテーマに開催された今回の慰労親睦会。メインイベントは、最近入社したメンバーから古参のメンバーまで、人となりを知れるビンゴ大会です。

用紙にメンバーの名前を書き入れ、ランダムに宣言されるメンバーの名前でビンゴを行い、早いもの順で賞品ゲット!

名前が表示されたメンバーはステージに登壇し、簡単な自己紹介をしてもらいました。

個性豊かなメンバーの面白い一面が見れたり、クセの強い賞品が登場したりと、大盛り上がりの新年会となりました。

写真を見返していると、ここ数年で所属メンバーが増えたことを実感します。

メンバーが増えたのに加え、事業規模に合った組織編制・人員体制の見直しが活発に行われ、竹下や牧のように部署異動したメンバーが現れはじめました。

経緯は違えど、異動先の部署で学べる新しい知識・経験に目を向け、前向きに業務に取り組んでいたふたり。自分の課題は何か、部署の課題は何か――まっすぐに向き合い、仕事に取り組む姿勢・価値観が印象的でした。

部署異動の経験がふたりのキャリアにとって、大きなプラスになることを願い、引き続き本ブログで活躍を追いかけたいと思います!

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執筆:住吉泰地(すみよしだいち)
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