ハーブ健康本舗では、会社全体で「マーケティング」を学び深めるための取り組みを推進しています。具体的には、自社のマーケティングに対する考え方を資料としてマニュアル化したり、販促部門を中心にメンバーを集め勉強会を開催したりしています。
そんな中、新たな取り組みとして、【経営企画】の部署に「マーケティング戦略室」というチームが新設されたとの情報が入りました。マーケティング戦略室…一体誰が、何のために、どんなことをしているのでしょうか…?
名前的にはなかなか凄そうなチーム…心して潜入捜査を敢行することにしました。
☆筆者紹介☆
住吉泰地(すみよしだいち)
2012年にハーブ健康本舗へ入社、以後10年近く社員として在籍。2022年2月よりフリーランスに転身。現在は外部の立場からハーブ健康本舗を見つめ、会社ブログの執筆担当として情報発信を行っている。
マーケティング戦略室とは何をするチームなのか?
潜入捜査を試みる前に、そもそもマーケティング戦略室とは一体何なのか、代表の永松社長に聴いてみることに。
代表・永松靖浩
ハーブ健康本舗の創始者。1998年の創業以降、自然美容健康茶「モリモリスリム」シリーズをはじめ、美と健康をサポートするオリジナルの健康食品を開発・販売。直近は化粧品事業や海外市場の拡大に注力しつつ、社内体制の強化として、マーケティングやセールスライティングに関する勉強会を実施中。
― 前回のインタビューで、会社全体のマーケティング力を底上げするために、勉強会や資料作成を推進されている旨を伺いました。その一環で、「マーケティング戦略室」を発足した旨も伺ったのですが、これは一体どういったチームなのでしょう?
永松
マーケティング戦略室とは、主力となる商材ごとに事業のモデル全体を最適化するため、2021年11月に結成した社内組織です。事業モデルを最適化することで、お客様に初めて商品を手にしてもらい、そこからファンになっていただくまでの流れを整え、満足度の高い価値を提供することができると考えています。
― どのような方が所属しているのですか?
永松
マーケティングに関わる部署の代表に集まってもらっています。具体的には、経営企画・商品開発・広告クリエイティブ企画・広告メディア企画・CRM企画から選出したメンバーですね。2週に1度ほどの頻度で集まって、商材ごとの事業戦略・戦術を協議しています。
― マーケティング戦略室の活動がスタートして半年以上が経過しました。実際にスタートしてみて、現在の手応え的な部分はいかがでしょうか?
永松
非常によいですね!もともとマーケティング戦略室を始めた当初の課題感として、マーケティングの一連の流れを理解し、高い次元で完遂できるメンバーの育成がありました。将来の事業責任者・事業部長として活躍できるよう、マーケティング戦略室での経験を活かし、成長してほしい。そんな想いがありました。
― マーケティングができる人員の育成を兼ねた活動なのですね。
永松
現在もマーケティング戦略室の活動を続けていますが、メンバーが議論の中でする発言の質が変わってきたように感じています。商品開発や販促部門のメンバーから、全体最適の視点で、中長期的に先を見越した考え方が、言葉として現れるようになってきました。よい兆候なので、さらに学びを深めてほしいと思っています。
キッチリ正装して潜入します
マーケティング戦略室というくらいなので、きっと重大かつヘビーな会議に違いない…。
いつもはラフな恰好が多いですが、ここはひとつスーツに身を包み、いかにも「会議参加者」みたいな顔をして潜入してみることに。
最近は結婚式の参列くらいしか着る機会のないスーツ。これできっと重役感(?)は出るはず。
ということで、さっそく何食わぬ顔で会議に参加してみました。
とりあえず潜入には成功。たぶんバレてない(?)。
でも意外にも皆さん私服が多く、ひとりスーツで浮いてしまっている…!?
※ハーブ健康本舗は基本的にオフィスカジュアルの会社。必ずスーツ着用!といったルールはないので、普段からメンバーはカジュアルな恰好で通勤しています。
マーケティング戦略室の会議に潜入…どんな話をしているのか
おふざけはこのくらいにして…。
マーケティング戦略室の会議では、一体どのような話が展開されるのでしょうか。参加レポートの形でご報告いたします。
何度も考え抜いてほしい…バナーやテキスト広告の表現に対するこだわり
まず最初に議論していたのは、WEBの販促で使用する「バナー広告」や「テキスト広告」。訴求の方向性が議論しやすいようシートに一覧化され、何という言葉で、どういうビジュアルで訴求をするのか、分かりやすくまとめられていました。
永松社長が話していた、バナーやテキスト広告の役割の話が印象的でした。
メンバーへ「とにかく目に留まらないといけない」と繰り返す社長。WEBの広告は、お客様側からすれば読む義務がないもの。そんな中で、いかに自社の商品・サービスの魅力に気付いてもらい、関心をもってもらえるか…そのすべてがバナーやテキスト広告にかかっています。
「考えが浅い」「これで本当に目に留まるのか…と何度も考え抜いてほしい」時折鋭い言葉も飛び出すほど場が熱を帯びていました。それほどに、どんなバナーを表示するのか、どんなテキストのタイトルなのか、徹底して考え抜くことが重要である――との学びがありました。
各部門間で協議することで、商品の訴求軸がすり合わせられる
より多くのお客様への展開を検討しているKCシリーズについても議論がなされていました。この日は、商品コンセプトやターゲット像をもとに、どういった訴求でお客様にご案内していくか、意見を出し合いました。
商品開発・広告クリエイティブ企画・広告メディア企画・CRM企画から積極的な意見が。
「お客様は○○の悩みをお持ちだから、訴求の軸はこっちの方向性が良いのでは…」「○○の表現だと、商品の良さが伝わりにくいのでは…?」
各部門でそれぞれ検討しているとバラバラになってしまいがちな訴求軸が、同じ場で意見を交わすことでひとつにまとまっているように感じました。このマーケティング戦略室が認識のすり合わせの場として、うまく機能しているようです。
“攻め”と“守り”を意識して、圧倒的に差別化された価値を提供する
別のKCシリーズ商品の訴求を議論する中で、永松社長から他社品との圧倒的な差別化をどこで見せるか、という問題提示がなされました。
競合他社が多い化粧品業界。後発で成果を出すには、他社品が実現できていない、訴求できていないニーズを見つけ出し、今までにない新しい価値を提供する必要があります。
と同時に、商品の販売に関わる法規的な観点から、お客様に誤解を与えかねない表現にならないよう注意しなければなりません。より魅力的に伝える“攻め”の表現と、より誤解がないように伝える“守り”の表現で、議論はさらにヒートアップしました。
ただ自分が好きなもの、良いと思った商品・サービスを「良いですよ!買ってください!」というだけでは、セールスとして成り立たない。自社の商品・サービスが、他社のどんなものよりも自分に合うものだと実感してもらい、その価値を魅力的に、かつ正しく伝える必要がある…。マーケティングの難しさをひしひしと感じました。
マーケティング戦略室の会議に参加してみて
今回、マーケティング戦略室という会社の方針を決める重要な会議に参加させていただきました。
スーツを着てピリピリとしていて…といった重々しい雰囲気をイメージしていましたが、そんなことはありませんでした。でも、会社の主力商品をいかにお客様に届けるか、どうやってファンになっていただくか、各部署の立場から活発に、真剣な議論が展開されていた印象でした。
健康食品・化粧品事業は、大手企業が数多く参入しており、一見すると後発の会社には勝ち目がないのでは?と思えてしまいます。その中で、徹底してお客様視点に立ち、お客様が本当に困っていること・悩んでいることに向き合い、自分たちの価値を提供するにはどうしたらいいか。どう表現すると伝わるのか。誰もが前向きに、積極的に意見を出し合っている姿勢が心に残りました。
ハーブ健康本舗のマーケティングに関する取り組みは、引き続きこのブログでも追いかけていきたいと思います。
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執筆:住吉泰地(すみよしだいち)
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