会社の人員が増え、組織が拡大するにつれて、様々な課題も出てきます。ハーブ健康本舗(以下ハーブ)も、今後さらに前進するため、組織上の課題とひとつずつ向き合い、解決に取り組んでいます。
出てきた課題のひとつが「情報の透明性」。社内情報を組織内でオープンにし共有すると、仕事のやりやすさや信頼感の向上に繋がると言われています。一方、情報量が増え煩雑になる、外部への漏洩リスクが高まるなどのデメリットも。 昇降格や入退社の理由といったデリケートな話も共有するのか…など開示する範囲も検討が必要です。
今までは経営層で方針を決めて対応…としていましたが、ハーブではこの課題に対し、社内から有志を募りメンバーを決め、自分たちで解決に向け進み出そうとしています。
組織の大きな課題に踏み込んだ、情報の透明性の取り組みをご紹介します。
職場の情報はなぜ透明にする必要があるのか?
職場の情報の透明性に関する取組に参加しているメンバーの中から3名に集まってもらいました。
― 皆さんはなぜ「情報の透明性について取り組みたい」と考えたのですか?
小林
自由闊達に意見が言える環境づくりに興味をもっていたからです。組織の成長に合わせて全員で協力して事業推進する上で、現状よりもっと良い商品・サービスを作り上げる必要がある。その中で、各々が持っている情報をオープンにしてより良くなるよう議論できると、会社もバージョンアップできるのではと思いました。
臼田
僕は特に部署間の情報の透明性に関心がありました。ハーブは横に長い組織形態で、それぞれの部署に役割が決まっています。お互いの範囲が明確に線引きされている中で、他部署の人が何を目標にどんな仕事をしているのか、情報を共有することで組織の意思決定や事業推進がもっとスムーズになると考えました。
明
情報の透明性は、部署間に加えて部署内でも検討されるべき課題だと思います。僕はWEBメディア企画に所属していますが、実は商材ごとに担当が分かれていて、それぞれ異なる業務範囲をもっています。チーム内でメンバーの業務課題や困っていることにすぐに気付けるよう、オープンな職場づくりを全部署で進めていくべきだと考えています。属人化してしまわないよう、週に1回は集まってお互いのタスクの詳細を確認したり、ブレストで自由に議論する場を設けたりして、情報の透明性を図っています。
― お三方が仰るように、仕事をする上で”情報”を共有できている状態は、業務推進上で効果があると思います。逆に情報が不足している状態では意思疎通がとれず、重大なミスに繋がってしまいかねませんよね。
臼田
情報の不足、ではないのですが、実体験でひとつ思いついたことがあって。〇〇について教えてください、と相談した際に、「ここのフォルダに格納されていますよ」と、データ格納先のファイルパスを教えてもらったことがあって。もちろん助かるのは助かるのですが…。入社して歴が浅いのもあり、勉強することが多い中で、資料を読み解くだけですべてを把握するのは難しくて…。
明
情報の伝え方や共有方法も議論が必要だと思います。確かに共有するやり方を簡素化すれば効率的にはなるんだけど、どのように情報をオープンにするとお互い気持ちよく成果につながる仕事ができるか、というのが大きな課題かと。
― 確かに、この議論って「とりあえず情報をオープンにしよう」ってだけでは片付かないですよね。臼田さんや明さんが話してくれた情報の伝え方、いまの組織体に合った最適解を見つけていく必要がある。
小林
すごく難しい話だと感じます。ただ、今まで情報の透明性で「こんな風にしたらいいのに…」って思ったことを意見できる場所がなかった中で、他部署の皆さんとチームを組んで、情報の透明性について協議できるこの取り組みはすごく楽しいです。オープンブックマネジメント(※)って言葉がありますが、情報の公開が経営者視点の養成・個々人の成長に繋がると言われているので、ハーブを良くする上で取り組めたらいいなと思って参加しています。
※オープンブックマネジメント:経営や財務に関わる運用指標の資料を社員に開示することで、社員の参画意識や自立性、組織力を高めようとする経営手法のひとつ。
透明にするだけで良い?引っ掛かっていたもうひとつの「課題」
― 現在に至るまで、チームで集まり数度打ち合わせをしたと伺いましたが、協議する中で何か感じたことなどありますか?
明
今まで3回ミーティングを実施しました。最初は手探り感があって、なんとなく発言してもそんなに響いていない印象もあったのですが、会を重ねる内に、チーム全体で本気度が高まっていったように感じています。
小林
最初、各々考えていることが違っていて、それぞれ自由に意見を出しながら「みんなこういう風に思ってたんだ」と思っていました。部署や役職が違うメンバーが揃っているので、自分と異なる視点での意見を聞けるのが面白いです。
臼田
僕は逆に「意外と同じことを思っているんだ」って感想をもったんです。他部署の人も同じような課題感をもっているのに気付いて、これは解決すべき課題だったんだって思えて。
小林
ああ、それ聞いたら「確かに」って思った!(笑)これが課題じゃないかって発言する時に、自分ひとりがそれを感じてて、勝手に主張して暴走してるんじゃないか、って心配してました…。
― 色々と気付きがあったのですね。最初の方は手探り、とのことですが、あまりうまくいかなかったのですか?
明
顔合わせの後の初回打ち合わせで、改めてチームで動く目的や達成するゴールを言語化していたのですが、何故か上手く決まらなかったんです。皆それぞれ課題意識が違っていて、チームとしての活動を決めようにも「思っていたのと違う」みたいな印象が強い感じになってしまいました。
小林
だから、一度しっかり課題について思っていることを吐き出そうってなったんですよね。会社を良くするならこういうことしたい、こういうことを解決しないと…って、ざっくばらんに意見を出し合いました。
臼田
白熱していましたね…。
― なるほど。お互い意見を出し合ってみて、いかがでしたか?
小林
情報を透明にすることも大事だけど、透明にしやすい組織の風土であったり、オープンに意見できる雰囲気づくりを推進していくことも大事なのではないか、という点に行き着きました。
明
実は僕がこの取り組みに参加する当初から、ずっと気になっていたのがこの点だったんです。透明にする情報の範囲や内容を決めるだけじゃなくて、自分が持っている情報を相手に届けようとする心構えや、分からない時や困っている時は気軽に情報を求めてもいいんだという心理的安全性の担保について、組織として考えるタイミングなんじゃないかって。
― 情報そのものに焦点を当てるのではなく、情報を扱う「人」に焦点を当てて取り組みたい。そんなイメージでしょうか?
明
そうなんです。本質的にアプローチしようとした時、やるべきなのは社員自身にフォーカスした取り組みなんじゃないかと思ったんです。ただ最初の時点では自分の中でうまく言語化できていなくて、このチームで協議していく中で段々と言葉になっていったところもあり、しっかり話し合えて良かったなって感じます。
「風通し委員会」始動!今後どう取り組むか…?
― 触れていなかったのですが、このチーム「Wow!?めっちゃ風通し委員会」って名前なんですよね?なんとなく“情報の透明性”を扱うチームにしては名前が…って思ってたんですが、話を聞きながら“風通し”にした意味が分かってきました。
臼田
このチーム名の“風通し”というのは、組織内の風通しを良くしたい、という想いが込められています。情報の透明性、オープンな雰囲気づくりを実践し、もっと過ごしやすい、もっと「頑張ろう」と思える組織を、社長に任せっきりにせず自分達から動いて実現していきたい、と思っています。
明
想いはあるんですが、強いて言えば名前のダジャレセンスは賛否両論ありましたね…「風通しいいんかい!?」みたいな…(笑)
― 「た●じんのそこまで言って委員会」みたいな感じですね(笑)情報の透明性と組織の風通しを良くするため、どんなことに取り組んでいくのでしょう?
小林
実際に情報の透明性や組織の風通しを良くするにあたり、皆がどの分野に対して課題感を持っているか、実態調査してから具体的な取り組みを決めようとなり、 全社員向けにアンケートを実施しました。
明
僕と小林くんとで、アンケート呼びかけの動画も撮ったんです。生の声で呼びかけて本気度を伝えたくて…。
― 手間ひまかけていますね!
臼田
集計も終わり、今後は特に意見が多かった分野から集中してテコ入れできるよう、優先度を決めて取り組みを進めていきます。
― すごい取り組みを是非ともお願いします!それでは最後に、今後の意気込みや、このチームでこんな風に取り組みたいと思っている理想があれば、教えて頂きたいです。
小林
僕はカスタマーサービス、いわゆるコールセンター部門で仕事をしています。お客様から日々たくさんお電話を頂く中で、それぞれが実務をこなしつつ組織として機能する体制をどう整えていくか、悩みながら構築を進めています。風通し委員会で学んだことを活かして、会社の事業推進にも貢献できればと考えています。
明
入社したばかりの人が、今までにない新しい視点のアイデアを自由に提案できる環境づくりに取り組めればと考えています。今まで言えなかった、言う機会がなかった自分の考えを発言・提案するのも立派な情報の透明性です。アイデアで溢れる会議時間を生み出すには何をするのか、議論できれば良いなと思います。また、自部署内でもこの取り組みで学んだことを活かしていきたいです。事業が拡大する中で、幅広い業務をチームでしっかりこなしていける、強い協力体制がある組織を目指します。
臼田
僕も明さんと同じ部署なんですが、席でパキッと分かれていて、話す人と話さない人が出てきているように感じます。情報が滞らないように、自分から働きかけをしていきたいです。良い意味で「ふらふらしている会社」というか、柔軟性があって、どんな状況でも前に進んでいける会社が理想的だと考えています。組織の風通しを良くすることで、それが実現できればと思っています。
情報の透明性、組織の風通し…。オープンな職場づくりを目指して始動した風通し委員会。今後の活動を、このブログでも追っていきたいと思います。
▼その他の記事はコチラ▼
各テーマのアイコンをクリックしてください